ニッケイ新聞 2009年7月2日付け
応用経済調査院(Ipea)の調査によると、低所得者ほど税の負担が大きいと一日付伯字紙が報じた。
六月三十日に発表された調査結果によると、〇八年の場合、世帯所得が二最低給までの家庭では年収の五三・九%が税金で消え、年間一九七日は税金を払うために働いた計算になるという。
この数字は、〇四年の四八・八%に比べ約五%も高いが、これに対し、三十最低給以上の高所得家庭での年収に占める税の割合は二九%。日数にして一〇六日に当たり、〇四年の二六・三%との差も小さい。
低所得者の場合は、所得税免税などもあるのになぜ税の負担が大きいのかと思う人もいるかも知れないが、Ipeaの分析では、所得層毎に税の重さが違うのは、間接税が多いため。商品を購入する度に間接的に払う税金は、税収一〇〇レアルに対し四二レアルで、所得に関係なく徴収される間接税が、否応なく家計を圧迫しているという。
所得に占める税の比重は、三最低給以上からはやや軽減するが、それでも、三~五では三七・四%(〇四年は三三・九%、以下同)、八~一〇では三五・〇%(三一・七%)、一〇~一五では三三・七%(三〇・五%)の様に、所得が小さいほど比重が大きい傾向は変わらない。
〇八年の国内総生産に占める税の比重は三六・二%だが、これも〇四年の三二・八%よりも高くなっており、ブラジルの税負担は、年々重くなっているともいえそうだ。
また、工業製品税(IPI)減税で、六月の自動車販売は好調との報告も出ているが、車などの高額商品は低所得者には縁がないとの指摘も出ているように、政府の景気対策は所得毎の税負担率の差を拡大させたと専門家は分析している。
国民が納付した税金の使途を労働日数に換算すると、政府や州、市が抱える負債に付加される利息支払いが二〇・五日分の労働に当たり、一般国民の年金やペンソンの支払いが一六・五日分、生活扶助が一・四日分。退職公務員への年金は六・九日分というが、幽霊職員や縁故採用などで高額所得を得た人達の給与支払いは何日分相当かを問う権利を、国民が行使すべき時とも言えそうだ。