運転手のケンカは止まず=法遵守でもついて来る危険=追い越しざまに3発浴びる
ニッケイ新聞 2009年7月3日付け
二日付伯字紙によると、交通トラブルに腹を立てた運転手が、問答無用で相手を射殺するという痛ましい事件が、六月三十日一八時半頃発生した。
サンパウロ市東部ヴィラ・クルサーのノルデスチーノ大通りの電光式ロンバーダ(速度違反防止用障害物)で減速した、二二歳のジャイール・O・デ・アウメイダ氏の車に、追い越しをかけた車の運転手が三発を浴びせ、一発がジャイール氏に命中したものだ。
同乗していた友人によると、追い越しをかけたのは、大通りに入る前、コネゴ・アントニオ・マンジ通りの電光式ロンバーダで減速した時に後から警笛(ブジーナ)を鳴らした車で、ノルデスチーノ大通りでの減速時にもブレーキ音をきしませた後、繰返して警笛。交通妨害を受けたと腹を立て、有無をも言わせぬ凶行に出たものらしい。
凶弾を受けたジャイール氏は、「撃たれた」と一言残し絶命。走行中の車は友人がコントロールして止めたが、駆けつけた軍警の救命処置も空しく死亡したジャイール氏は、危険物運送を行うためのコースを終えて、新しい免許も取得し、職業運転手として雇用先からの返事を待っていた所だった。
年末に結婚予定だったジャイール氏が、命を落としたきっかけとなったノルデスチーノ大通りの電光式ロンバーダは機能しておらず、減速も急であったことが犯行に及んだ運転手を余計にいらだたせたものと見られている。走行妨害などのトラブルでのケンカは、軍警への通報だけで毎日三五〇件から四〇〇件と二日付エスタード紙。
同記事にはこの件数がどの範囲からの通報かの記載がないが、交通トラブルとそれに伴うケンカは日常茶飯事で、今回のような事件に繋がるケースも多いという軍警の広報担当者の言葉からいけば、同種の事件はサンパウロ市に限った出来事でもない。
銃所持者もまだ多いブラジルでは不測の事件、事故も多く、ちょっとした外出で犯行に巻き込まれた今回の事故も、市民の不安を煽っている。ストレス社会で欲求不満耐性のない人が増えたという声や、防弾車の発注増加なども頷ける事件だ。