ニッケイ新聞 2009年7月3日付け
ジョゼ・セーラサンパウロ州知事は六月三十日、公的機関から一切の保護がない三十万人以上の個人経営者が、個人営業法(MEI)に基づき開業手続を行うよう薦めたと七月一日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
バンデイランテス宮で行われたMEIの発効を記念する式典で州知事は、これまで法治社会の外に置かれた者が、法人として扱われることになった意義を強調。
州知事は個人営業者に対し、「最低限のリスク」という数々の特典を用意した州条例に署名した。これまで無許可で営業していた職種は意思表示をすれば、百八十日の仮営業許可を当局が発行すると発表した。
この期間は監督官が、営業許可の有無を詮索しない。百八十日を経過すると、仮許可は自動的に営業許可となる。Sebrae(小零細企業サービス機関)の調査によればサンパウロ州で三百四十万人、全体の一八%が無許可で生業を営んでいる。
「アングラ経済はブラジルの悲劇」だ。アングラ経済が失業や貧困の消化役となっている間は経済の実体は不透明で、社会の秩序化も不可能と州政府はいう。個人営業法(MEI)は、無秩序社会の終焉に賭ける政府の挑戦だとした。
アフィフ・ドミンゴス職業斡旋局長は「個人営業者が法の外にいたのではなく、法がこれらの人たちを法の外へ放置していたのだ」と語った。MEIがもたらす時代革新に、ブラジルの営業システムの根本であるノッタ・フィスカルを不要としたことがある。
MEI原案は、同局長がサンパウロ州商業連盟の会長であったとき、ルーラ大統領へ進言したことに始まる。その後、同連盟や会計士組合、Sebraeなどの協力によりMEI実現へこぎ付けた。MEIは、ブラジルを貧困と悲惨から救う産業連帯化の鍵ともいえる。