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JICA教師研修生が日本へ=日本語センターで閉講式=今年は南米5カ国6人

ニッケイ新聞 2009年7月3日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)で六月二十五日午前、「二〇〇九年JICA日本語教師基礎ⅠSPコース」閉講式が行われた。ブラジルでの研修を終え、同日に二人、二十六日に四人が次の研修先日本へ向け出発した。一行はJICA横浜センターで四カ月の研修を受ける。
 閉講式には千坂平通JICA(国際協力機構)サンパウロ支所長、谷理事長、丹羽義和事務局長、JICAサンパウロ地区OB会の弓場パウロ会長、教師、研修生ら十八人が出席した。
 同研修には、ブラジルから瀬戸口恵パトリシアさん(35、サンパウロ州)、大城アケミ・ダニエレさん(21、南マット・グロッソ州)の二人、他の南米諸国から西和美さん(24、コロンビア)、ニシマタ・ジェニーさん(36、ペルー)、新垣ビビアナ・サナエさん(24、ボリビア)、永野三枝子さん(24、パラグアイ)の計六人が参加。
 三カ月の通信講座を終えた後、五月十九日から六月二十五日にかけて同センターに集まり研修を行った。
 研修では七人の教師が指導にあたり、内容は日本語教育文法、教授法、移住と継承日本語教育、バイリンガル教育などを学んだ。ロベルト・ノリオ校などで実習も行われた。
 閉講式で千坂支所長は、「日本へ行き、生の日本語を学んできてもらいたい。そして、語学だけでなく歴史を理解することも大切にして欲しい」と激励。
 谷理事長は「研修の中で身につけたことを母国に戻り伝えていってもらいたい」と述べた。
 教師を代表してあいさつした栗原章子さんは、「勉強熱心な研修生を前に、教師も互いの経験を持ち寄り授業に力を注いだ」と振り返り、「素晴らしい先生になることを期待し、応援しています」とエールを送った。
 研修生一人一人に履修証明書が授与された。瀬戸口さん、西さんが研修生代表としてあいさつした。
 瀬戸口さんは「アドバイスを多くもらい、授業の進め方がよく分かった。今回の研修で自信がつきました」と話した。
 コロンビアから参加した西さんは「ブラジルでポ語に慣れなかったが、東洋人街を大変気に入った」と感想を述べ、「研修に参加し授業の幅が広がった。先生方の応援が心強かった、日本へ行ってがんばります」と流暢な日本語であいさつした。
 授業を行った佐々木佳子教師は、「研修生の日本語のレベルが高く、教えやすかった。日本で学び、教師の視点で日本文化を教えられるようになって欲しい」と話す。
 西さんは「研修生同士仲が良く共に学習に励んだ。あいさつの文章も皆が手伝ってくれた」と笑顔で話していた。
 スペイン語圏出身の研修生同士の間でも会話は日語だったという。ポ語、西語を母国語とする人がいたため、授業も全て日語で行われたそうだ。
 新垣さんは「授業を考える上での知識が広がった」と話し、「ボリビアに戻り授業を行いたい」と目を輝かせる。
 西さん、永野さんは「日本の若者の言葉にも触れてみたい」と日本での研修に期待で胸を膨らませていた。