ニッケイ新聞 2009年7月4日付け
野党のアルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB=民主社会党)は上院本会議で三日、ブラジリアにサルネイ上院議長が所有する四百万レアル評価の豪邸が申告漏れであるとのエスタード紙報道を取り上げ、「上院を指揮するのは無理。死に体といっていい」と糾弾したことを同日付けアジェンシア・エスタード・サイトが報じた。同上議の辛辣表現は誰もが知るところだが「上院議長はもはや、袋のネズミ。悪行の数々は、いずれ年貢を納めることになる」と通告した。
サルネイ上議がチオン・ヴィアナ上議(PT=労働者党)と上院議長を競ったとき、ヴィルジリオ上議はサルネイ上議(PMDB=民主運動党)に投票しなかったという。それは「サルネイ氏が上院を改悪することはあっても、改善することはないと知っていたからだ」と述べ、「上院は見た通り、泥棒の巣になった」と指摘した。
ごまかし体質の議長が采配する上院には、不正の告発が絶えないと訴えた。「これほど汚物が上院に堆積していたとは知らなかった。ヴィアナ上議が議長になっていたら、何か改革をしていたはずだ」という。
上院の綱紀粛正は痛みを伴う。生贄が必要だと同上議は見ている。「サルネイ議長はアガシエル元事務局長やゾグビ元人事局長との古い腐れ縁があって、上院の改革などできない。上院議長の過去は熟知しているが、誰も私の口を塞ぐことはできない」と繰り返し宣言した。
同上議の告発に対し、与党PTはサルネイ議長の休職是非について六日話し合うことにした。ルーラ大統領は理由の如何を問わず、二〇一一年の大統領選をにらんでサルネイ擁護に固執しており、党の主張とは異なっている。
PTはサルネイ議長が、大上段に構えることを不快としている。党は国民が上院不祥事の徹底解明を求めていることで不正調査を不可欠と見ている。大統領選に向けたPMDBとの連立関係を採るか、国民の不満解消を採るか党は板ばさみになっているようだ。