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子供の送迎バスは安全か=リオの事故で保護者に不安=親や学友もショック隠せず

ニッケイ新聞 2009年7月4日付け

 二日、三日付伯字紙によると、リオ市で一日に起きた子供の送迎バス事故被害者四人の葬儀が二日に行われ、責任の所在を巡って市民の反発が高まっている。
 事故発生は一日午後二時ごろ。リオ市北部とバイシャーダ・フルミネンセを結ぶリーニャ・ヴェルメイリャで、故障車牽引作業中のレッカー車に接触した送迎バスが横転し大破。乗っていたペードロ・セグンド校サンクリストヴォン・キャンパスの七~一四歳の生徒四人が死亡、運転手と生徒六人がケガをした。
 子供の安全のためにと運転手に託して送り出した親の中には、我が子の変わり果てた姿に泣き崩れる人達もいたが、送迎バスが無認可であった事も問題視されている。
 学校側は、自分達の学校では送迎バスの契約や斡旋はしておらず、送迎バス事故についての責任はないとしているが、運転手は父兄組織に毎月支払い生徒を送迎と供述。兄弟揃って事故に遭い、一人は死亡、一人は重体という家族もある。
 一方、同校生徒を乗せて八年という運転手が無認可であった事について、運転手は、お役所仕事と資金不足のせいと弁明。三日付G1サイトによれば、リオ市では正式認可の送迎バスは約一〇〇〇台で、無認可の送迎バスはその三倍という。
 正式認可を得るには、特別講座を終了したDまたはEクラスの免許所持者が、無犯罪証明書や住所証明の書類などを添えて申請する必要があり、車の外装も仕様が決められている。
 今回の事故を起こした運転手は、速度違反で二度、正式認可のない違法就業で一度の違反が記録されており、車の仕様も規格外だった。
 時速四〇キロで走行中に後方から迫るバスを避けようとして進路変更をしての事故で、レッカー車の手前に警告用の三角板はなかったとの供述に対し、レッカー車運転手や目撃者は三角板はあったと証言。現場にブレーキ跡はなく、横転後三〇メートル余りすべって止まるなど、供述の矛盾も指摘されており、違法就業、業務上過失致死などの罪が問われる事になる。
 負傷者の中には、三日現在も生死の境をさまよう状態の男児もおり、関係者らのショックは大きい。

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