ニッケイ新聞 2009年7月7日付け
【既報関連】五日現在の新型インフルエンザ患者数が八八五人と報告されているブラジルで、二次感染者が増え始めていると四日付伯字紙が報じた。
外国滞在または旅行中にH1N1型ウイルスに感染した人は、帰国後に発症しても一次感染で、一次感染者と接触し罹患した場合が二次感染。ブラジルの二次感染者は三日現在の患者七五六人中、二三%と報告されている。
この数字は五月八日以来の累計だが、三日の保健相説明によると、三週間前六%だった二次感染が、ここ一週間は三〇%に及んでいるという。
一方、国内の検査機関では、結果判定までに一週間を超えるサンパウロ州や、三日を超え始めたリオ州など、患者や被疑者の拡大に検査体制が追いつかないという事態も発生。
判定の遅れは診断や処置の誤りや不必要な投薬といった問題を引起す可能性もあるため、保健相は、今後の検査は、重症者や六〇歳以上や二歳以下の患者、免疫力の弱い人、妊婦の他、これまで患者発生が報告されてなかった地域の被疑者などに限定すると説明した。
また、風邪の症状が出た場合、最初は保健所や救急病院、保健プラン提携病院で診察を受ける様にも指示。医師が自宅療養を指示した時は他の人との接触をなるべく避けるなど、ある意味で一般の風邪と同じ注意事項を上げて協力を要請した。
特に感染力の強い発症直後は要注意だが、これまでの検査では、サンパウロ州のアドルフォ・ルッツで二四%、リオ州のフィオクルースで二九%が真性と判定された一方、何のウイルスも検出されなかったケースも五一%と五〇%あったという。
保健省では、現段階の二次感染は一次感染者と直接接触した場合に限られ、流行状態にはないと判断している。
新型インフルエンザにより、学校の休暇前倒しやイベント自粛、アルゼンチンやチリへの旅行延期勧告でアルゼンチンを避けた旅行者が北東伯などに流れ、北伯で飲物価格高騰などのニュースの他、デンマークや日本、香港で特効薬タミフルに耐性を持つ患者例報告という気になる報道も。処方箋なしの薬服用は後の診断を狂わせたりもするから、むやみな自己処方は避けることも大切だ。