ニッケイ新聞 2009年7月8日付け
サルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)は六日、同議長の腹心で上院高級管理職に任じられたアガシエル・マイア元事務局長とジョアン・C・ゾグビ元人事部長を背任罪で告訴する意向を表明と七日付けエスタード紙が報じた。
同二人は、過去十四年間に犯した上院服務規定の違反行為について調べられ、骨肉相争うことになりそうだ。罪状は職権乱用による違法人事と公金横領、不要役職の捏造、幽霊職員の採用などが挙げられている。
上院議長の発案で設立された調査委員会は、背任罪の告発指示を示した。同委員会は疑惑に関与した上議を放免としたが、同二人は刑法に抵触すると糾弾した。
背任罪の審理中、二人は九十日間の停職処分を受ける。背任罪が立件されると、年金剥奪などで解雇となる。審理は、三カ月かかる。二人の他に、違法と知りながら上司の命令として従った側近五人も同訴訟に連座する。上院不祥事の疑惑で更迭されたジョゼ・A・ガジネオ前事務局長など三人は、やむを得ない範囲として放免された。
上院議長は、同調査委員会の報告書を検察庁へ提出。同報告書には六百六十三件の不祥事について形跡を認めるが、上院議長の任命は立件に至らないとしている。
上院職員のための秘密保健プランの掛け金が三口座に分散し、計一億六千万レアルもあったことが発覚したことで、連邦会計調査院(TCU)は一口座にまとめて資金の出所調査を行うとしている。現在のところ、公金横領や違法資金の貸し付けによる資金調達の形跡はない。
上院には、アガシエル・マイア元事務局長の違法資金を上議らに貸し付ける金融組織があった。保健プランの資金は、職員が給料から差し引き蓄積したというが、アガシエル隠蔽資金の疑惑は消えていない。