ニッケイ新聞 2009年7月9日付け
【パラー州ベレン発】アマゾン日本人移民八十周年を記念して編纂された『合同記念句集』がこのたび発刊された。
この合同記念句集は、パラー州内の次の四俳句会によって編集された。トメアスー俳句会(代表=新井範明)、サンタイザベル俳句会(代表=竹下澄子)、カスタニャール俳句会(代表=工藤未敏)、ベレン風みどり俳句会(代表=大嶽一)
『合同記念句集』の編集委員を代表して、トメアスー俳句会の新井代表は、その序文に「明治、大正、昭和、平成と各時代に生まれた人たちの八十年にわたって流れた時間は、日本文化をアマゾンに定着させ、アララ句会、大河句会、木陰、樹海、花胡椒、アマゾン拓土句会、ベレン風みどり句会、サンタイザベル句会、カスタニャール句会、トメアスー句会が誕生した。このように現在も脈々と受け継がれていることは喜ばしい限りである」としたためた。
さらに「戦前移民は戦後移民を受け入れ、瞬く間に植民地は拡大、新しい家族が誕生し、忘れられていた日本文化が蘇り、運動会や演芸会、映画会、相撲、野球そして短歌、俳句が芽生えた」と綴った。
戦後、最初にトメアスー俳句会を結成し、指導に当たったのは一九五五年入植した、故吉丸一氏(長崎県出身、俳号=丘南)であった。
遺稿『枝蛙一句その日の日誌とす』合同記念句集のほか、サンタイザベル句会の『ひとすじ』、日本人移民百周年を記念してベレン風みどり句会の『風みどり』第九号が発刊された。(下小薗昭仁通信員)