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東西南北

ニッケイ新聞 2009年7月14日付け

 サンパウロ市では十一、十二日に、移民の国ブラジルを象徴するような行事が続いた。一つは十日のピザの日を受けたサンパ・ピツァで、モオカ区では直径二・二メートル、重さ四〇キロの巨大ピザで二日間賑わった。また、市西部アグア・ブランカ公園では十二日にフランスの日のフェスタで、フランス音楽や食物、バイレを楽しんだ。残る二つはリベルダーデでの七夕祭りと、市北部オルト・フロレスタウの桜祭り。各国の文化を残し育みつつ、一つに融合していくダイナミックさ、他国の文化を知る喜びはいつまでも保って欲しいもの。
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 リオ市北部で十一日夜、五歳の少女がアパート五階の窓から墜落死した。フェスタ・ジュニーナの最中に眠たくなった娘を連れ帰った母親が、娘が寝入ったと思って出かけた後の事件で、目覚めた少女が洗濯場の窓の防護網の破れ目を広げ、マクラや毛布を投げたりする内、自分も落ちたものらしい。フェスタの途中で家に戻り娘の姿が見えないと騒ぐ母親に、アパート住民も一緒に探したところ、駐車場に倒れている少女が見つかった。防犯カメラ映像で殺人の可能性は否定されたが、保護義務放棄で十二日に逮捕の両親はショック状態のまま、十三日に身柄拘束を解かれた。娘の埋葬参加は叶っても、娘の笑顔は戻らない。
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 一九九七年以来ガン闘病中のアレンカール副大統領が九日、サンパウロ市シーリオ・リバネース病院で一四回目の手術を受けた。八日に強い腹部の痛みを覚えて入院したもので、大腸部の腫瘍除去には六時間を要した。十一日に集中治療室を出た副大統領は、十五日にリオで行われる交易二〇〇周年記念行事までに退院許可をと要請したが医師団の決定はまだ出ていない。