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市場動向調査=消費欲旺盛の胎動=耐久消費財購入希望増える

ニッケイ新聞 2009年7月15日付け

 購買意欲を調査した二つの報告書によると、庶民の消費意欲は金融危機以前の水準に回復していることが判明と十四日付けエスタード紙が報じた。冷蔵庫から自動車などの耐久消費財購入で、庶民はローンを組むために奔走しているようだ。
 この現象は、下半期における景気動向の胎動と関係者は見ている。ローン調査会社Serasaは、昨年十月のローン需要一〇一・二%に対し、今年の六月は一〇二・七%へ上昇と発表。昨年十月のローン市場は、青菜に塩の時期であった。ローンの冬期を脱した、初めての兆候だ。
 サンパウロ総合大学(USP)経済学部の小売り市場調査は、耐久消費財購入計画を立てている消費者が、第2四半期に前年同期比二〇%増と発表。同学部が十四日、七月から九月の消費動向調査を発表するが、過去十年で最高の旺盛な消費意欲が予想されている。
 この消費意欲向上の背景には、二つの政策がある。一は雇用創出を目的として、低所得層向けに低利長期の条件のローンを提供していること。二は、金融機関に政府がローン用のクレジットを回復させたことだ。ローンの相談窓口には六月、前月比四%増の件数があり、四カ月の続騰だ。
 ローン需要は昨年十月より向上したが、前年同期比では今一つ。六月時点で前年同月比一・二%減。上半期で前年同期比六・八%減。市場関係者が七、八月には、完全回復を期待している。今年十二月には、昨年五月の最盛期一一四・三%台を達成と意気込んでいる。
 サンパウロ州商業連盟(ACSP)は、今年上半期の売上げ量は前年同期比で八%減で、希望的観測としながらも、下半期に金融危機以前の水準へ戻ることを確信しているという。