ニッケイ新聞 2009年7月15日付け
酔っ払いは、居酒屋を出て行くとき「二度と酒は飲まない」と誓うが、醒めたら忘れている。自由貿易の〃本丸〃ドーハ・ラウンドに臨む先進国首脳の誓いも同じだと、経済評論家のミング氏が批判したことを十四日付けエスタード紙が報じた。
ルーラ大統領はイタリアのG8サミットで口を酸っぱくして、ドーハ・ラウンドの即時決着を訴えたが「蛙の面に小便」であった。先進国首脳は、保護貿易は悪いことだから、市場開放を必ず行うと何度も誓った。
「G8サミット毎に宣誓文が作成され、その一つドーハ・ラウンドの決着に首脳らは署名する。しかし、それが盲目判なのだ。これが、サミットだ。反面、保護貿易は益々根を張っている」とミンク氏。
ルーラ大統領は昨年十一月、ワシントンのG20で同ラウンドの次月再開を約束した。しかし、大統領はWTO(世界貿易機関)で空振りした。イタリアでも、大統領は切り出した。先進国首脳に「何の話だったでしょうか」といなされた。
ミンク氏は「こんな誓いを、誰が本気にするか。金融危機が保護貿易を煽ったというが、それはウソだ。新型インフルエンザを理由にEUは豚肉輸入を禁じた。豚に罪はない。難癖をつけた保護貿易は、枚挙にいとまがない」と繰り返した。