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冬のサンパウロ市を色あざやかに=リベルダーデ七夕祭り=雨のち晴れで6万人来場

ニッケイ新聞 2009年7月15日付け

 冬の風物詩「第三十一回サンパウロリベルダーデ仙台七夕祭り」(ブラジル宮城県人会、リベルダーデ文化福祉協会=ACAL共催)が十一、十二両日、リベルダーデ広場で開催された。初日は雨のために延期することも検討されていたものの決行。二日目の午前五時早朝には約七十本の七夕飾りが取り付けられ、雨雲の去った青空の下、来場者の見る目を鮮やかに楽しませた。主催者によれば二日間で六万人が来場した。

 雨が降りしきる中、初日午後二時過ぎに、広場に設けた特設舞台で開会式が行われた。飯星ワルテル、ウィリアン・ウー両下議、ロメオ・トゥーマ上議、神谷牛太郎サンパウロ市議、木多喜八郎文協会長、与儀昭雄県連会長、菊池義治援協副会長、後藤猛領事ら多数の来賓が出席のもと、神式セレモニーが行われた。
 予定されていた広場での催しは中止されたものの、傘を片手にヤキソバや天ぷら、手巻き寿司などを食べながら祭りを楽しむ人、雨の中短冊を買う人もいた。
 穏やかな冬晴れとなった二日目は、七夕飾りがリベルダーデ一帯を色とりどりに飾り、歩行者天国となったガルボン・ブエノ、エスツダンテ街は人で埋め尽くされた。
 ボランティアによって作られた七夕飾りは、アニメや鶴、リサイクルごみ箱をかたどったものなど趣向豊か。
 あちこちで写真撮影や短冊を竹にくくりつける姿が見られ、大阪橋上の日本食屋台には長い行列ができた。
 特設舞台では沖縄太鼓、空手のデモンストレーション、ガイジン戦隊や歌手平田ジョーさんのショーが行われ盛り上がりを見せていた。
 浴衣姿で訪れた姉妹の見世リリアン(31)、クリスチアーネさん(26)は、「祭りに来ると日本へのサウダージもふっきれる。雰囲気が日本の祭りみたいで大好き」とはしゃいだ様子。
 「健康と幸せを願いに毎年参加してますよ」と話す古賀みつえさん(81)は、「願いがかなうといいですね」と笑顔を見せながら、竹に短冊をくくりつけていた。
 実行委員長の中沢宏一宮城県人会会長は、「雨が降ったおかげで日系社会とブラジル社会の温かい協力を改めて感じた。ブラジルの七夕発祥の地として今後も協力してやっていきたい」と意気込みをみせた。
 池崎博文ACAL会長は、「初日の雨は地ならしだったんでしょうね。多くの人が訪れて喜んでくれて嬉しい七夕祭りになった」と話していた。
 なお、祭りで募集した俳句・短歌・ハイカイは選者の選考後、邦字紙などで入選者発表、二十四日に表彰式が行われる。恒例の「短冊炊き上げ祭り」は八月二十三日にアチバイア市の中沢教育スポーツセンターで開催予定。