ニッケイ新聞 2009年7月15日付け
人文研企画の講演会「コロニア今昔物語」第一回目を訪れ、日語ラジオ全盛期の話を興味深く聞いた。記者には全てが新鮮な話だった。
貴重な日本のレコードを手に入れるため、一時帰国の邦人目当てにサントスまで行ったこと。日本のラジオ番組を流した時、カットしなければいけないスポンサーの宣伝部分を切り忘れてそのまま流してしまったという裏話も。すぐに知らせることができるよう、死亡通知も多かったとか。
これからも続けたい、と田中洋典所長。日系企業進出の裏話、日本映画の最盛期、植民地の盛衰、リベルダーデの飲み屋街、または勝ち負け抗争秘話等々…ちょっと想像してみるだけで、色んなテーマが浮かぶ。
その時代を生きた人の語りには、やはり力がある。本人が大した事でないと思う話でも、コロニアにとっては大切な財産なのだから。 (ま)