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ペトロブラス=CPI設置決まる=連立与党の術中にはまる

ニッケイ新聞 2009年7月16日付け

 二カ月にわたって攻防戦が繰り広げられたペトロブラス石油公団のCPI(議会調査委員会)問題は十四日、連立与党の上議が要所を固めるかたちで設置が決まったことを十五日付けフォーリャ紙が報じた。
 CPI委員長にジョアン・ペードロ上議(PT=労働者党)、上程報告者にロメロ・ジュカー上議(PMDB=民主運動党)を賛成八票、反対三票で可決した。
 CPIの行方を決める委員長と上程者を政府が手中に収めたことで、ペトロブラス経営審議会会長を兼任するロウセフ官房長官の証人喚問は不要となった。これで大統領選にも、心置きなく没頭できることになった。
 ペトロブラスとANP(国家原油庁)の間で策謀された不正行為の解明は、政治的駆け引きも根回しも不要となり、事実上の骨抜き調査委員会の設立となった。
 要所に与党関係者を配した八百長CPIは、今年下半期に単なる政治的手続で一件落着となる見込みと、委員長選出で敗れたアウヴァロ・ジアス上議(PSDB=民主社会党)が訴えた。
 一方、サルネイ上院議長(PMDB)に対する政治的尊厳を審議する倫理委員会は、委員長選出が延期となった。ペトロブラス資金のサルネイ財団流用は、ほとぼりが冷めてから審理する。これで政府与党は、二つの勝利を得たことになる。
 ペトロブラスCPIが始まるのは、国会の休会が明ける八月になる。政府は作戦のための時間が与えられるので、同CPIを前政権時代の問題に集中させ、焦点をウヤムヤにする考えのようだ。
 上院議長の去就を審議する倫理委員会は、十五人で構成される。そのうち十人には、同議長の手が回っている。同議長に対する告発は、私怨遺恨の類であると連立与党は見ている。