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将を射らば先ず馬を=サルネイの子息に連警の矢

ニッケイ新聞 2009年7月17日付け

 連邦警察は十五日、サルネイ上院議長の子息フェルナンド・サルネイ容疑者に対する数々の疑惑の中から、公社と契約受注のため自社を有利に導く公文書を偽造したことで告発したと十六日付けフォーリャ紙が報じた。同容疑者が狙ったのは、上院議長の影響下にある鉱動省だ。
 連警は「肥えた牛」作戦と命名し、同容疑者が結成した犯罪組織による違法金融と資金洗浄について捜査。同容疑者は、連警の同作戦に関する聴取を受けている。
 捜査の発端は、〇六年のマラニョン州知事選での上院議長の息女ロゼアナ・サルネイ氏の選挙資金問題。十月二十九日の二次投票直前の二十五日と二十六日に、同容疑者の個人口座から百万レアルずつが引き出され、裏帳簿疑惑が生じていた。
 その後、エレトロブラスとエレトロノルテ、Valec(ノルテ・スール鉄道建設担当の公社)、連邦貯蓄銀行による入札で、同容疑者が入札を操作し、公的資金を流用したとの不正疑惑が浮上。
 同容疑者はこの入札で、民間企業が公共工事を受注するための仲介役を果たした。同企業の経営者二人と同容疑者はサンパウロ総合大学同窓生で、二人は、受注仲介の謝礼として十六万レアルを同容疑者に支払ったと連警で供述した。
 連警は〇八年八月、同容疑者と同件に関係した連警職員の身柄拘束を要請した。上院議長のボディ・ガードでもある連警職員は、同容疑者に連警の秘密情報を漏洩した容疑も持たれている。〇九年にロゼアナ・サルネイ知事任命のマラニョン州保安局職員も十五日、供述のためサンルイスの連警に出頭した。
 検察庁は、同容疑者に対する告発を公表するかを検討中。同告発は三月以来、数々の不祥事で微妙な立場にある上院議長の去就で火に油を注ぐことになりかねない。
 連警と検察庁が立証した事実によれば、ロウデオ元鉱動相の〇六年と〇七年、サルネイ上議がエネルギー族議員の領袖であった。同元鉱動相も同容疑者のシステムの一員であったが、一線を画したことで失脚した。