ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
ドーハ・ラウンド=黒船到来で開国か=市場開放の正念場へ突入
ニッケイ新聞 2009年7月17日付け
ブラジルがいつも、先頭に立って旗を振ってきたWTO(世界貿易機関)ドーハ・ラウンド(多国間自由貿易交渉)の二〇一〇年決着を巡って、先進諸国が動き始めたと八日付けヴァロール紙が報じた。
ブラジルにとって二〇一〇年は、大統領選挙の年だ。ドーハ・ラウンド決着が何を意味するか、ブラジルは良く分かっていないとアモリン外相がいう。幕を開けたら、寒気がすると洩らした。
得失を計算すると、利益の少ない農産物では有利だが、利益の多い加工品では最後の一枚まで剥がれる。おまけに大統領選挙だ。選挙の年はどこでも、国家の利益より国民の利益を優先する。
農産物補助金制度を廃止させるため、ブラジルは既に大幅に譲歩した。残るは、欧米特産の加工品に対する輸入関税だ。これで出超が入超となれば、ブラジルは丸裸にされる可能性がある。
先のG8サミットでは、ドーハ・ラウンド閣僚会議が九月、インドのニューデリーで開催されると決まった。その結果を踏まえて、米国でのG20首脳会議が行われ、ドーハ・ラウンドは地固めされる。