ニッケイ新聞 2009年7月17日付け
「環境」をテーマにした第十二回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭)が十七日に始まるのに先立ち、十四日、主催の県連(与儀昭雄会長)、ブラジル・ニッポン移住者協会(小山昭朗会長)、オイスカ・ブラジル総局(高木ラウル会長)ら関係者百人が中心となり、サンパウロ州立チエテ・エコロジコ公園内の「日伯・友情の森」内で一千本の植樹を行った。この森は「ブラジル県連の森」と名付けられた。
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植樹会には、県連から与儀会長、山田康夫、園田昭憲両副会長など代理を含め十県人会長、会員らを合わせ計二十人。移住者協会からは小山会長、金谷義弘副会長、河村武夫理事ら計三十人、オイスカからは高木会長、花田ルイス副会長ら計十人、一般の参加者も多数参加した。また、羽藤ジョージサンパウロ市議、シド・オット・コプロウスキ同公園所長らの姿もみえた。
公園内には、二カ所に分けて一千本の苗木が用意されていた。小山会長がまず手本を見せ、参加者は鍬やショベルを使って土を掘り、苗木を丁寧に植えていた。
植えられた苗木はアロエイラ・ピメンテイラ、イペー・ローザ、パウ・ヴィオラなど四十四種類。小山会長は「祭りが始まる前に実施できたことが大切。環境を意識するきっかけになれば」と同地内を走り回っていた。与儀県連会長は「戦前移民だった父は、物を作るために木を切り、森を開いてきた。今日はその恩返しもできた。県連も出来ることは協力したい」と感想を語った。
参加者の一人で、移住者協会主催の植樹会に何回も参加している中村スミさん(鹿児島)は、「天気が良くて気持ちが良い。今日は二十本ほど植えました」と声を弾ませていた。
その後一行は移動し、公園内にある苗木を作る施設を見学。施設内は遮光ネットで囲まれ、苗齢も種類も様々な苗が栽培されており、参加者は興味深そうに見ていた。
同施設は移住者協会とオイスカなどが、サンパウロ州政府から四年契約で借りている。〇七年以降、七万本の完成苗木を作り、一万五千本が生育中。他の機関からの寄付も合わせ、現在十三万本の苗木を確保したという。同施設には移住者協会専門の職員五人が働いており、苗を栽培している。
一行はその後、公園内の一角でシュラスコパーティを催し、親睦を深めた。