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ルーラ大統領=2010年は高度成長期へ=全員が年末再就職=成長率が危機前水準克服=GMのいのち綱ブラジル

ニッケイ新聞 2009年7月21日付け

 ルーラ大統領は二十日、景気回復の兆候が見えたことで、二〇一〇年は高度の経済復興が予想されるから金融危機のために失職した人たちは年末までに再就職できるであろうと表明したことを同日付けブラジル・オンラインが報じた。政府が産業復興と信用回復、消費奨励のため自動車や冷蔵庫、洗濯機、ガスレンジ、建材の減税などの緊急対策を講じたことから、全国の商工業や雇用市場で回復の槌音が勇ましく聞こえるとラジオの週刊番組「大統領とコーヒー」で語った。

 「金融危機以前の経済成長率水準へ引き戻すことが大統領府と財務相スタッフの念願であった。ブラジルは世界に先駆けて、僅かの間に経済復興を果たし、最も重要な国際経済のけん引役を引受けることになる」と大統領は豪語した。
 労働省の雇用報告書(Caged)によれば、正規雇用数は六月に十一万九千四百九十五人に達し、五カ月連続の上昇を記録した。これで上半期に総数二十九万九千五百六人が、再就職を果たした。過去十二カ月で三十九万三百二十二人が、再就職をしている。
 この数字は、金融危機で失業した者の半分が、再就職したことを意味する。年末までには、活力ある雇用創出励行で、金融危機後の失職者全員が再就職できるという。
 金融危機は最後にブラジルへ侵攻し、最初に退散した。それは国内の消費市場が強固に育っていたためだ。GMが二〇一二年までに、ブラジルへ二十億レアルを投資することを決定したのは、ブラジル経済に期待を寄せているからだ。
 ブラジルGMは、米本社から乳離れをして南米に新しい世帯を設けようとしている。米GM本社が経営不振の荒海から抜け出すため、ブラジルを戦略拠点という救命ボートに選んだのだ。
 これは、堅牢なブラジル経済に信頼している証拠。政府の対策が正解であったことを認識したいま、今後の経済は高度成長期へ入る。堅物の中央銀行報告書によれば、今年の経済成長率を〇・三四%、二〇一〇年は三・六〇%と予想している。
 二〇一〇年は大量生産と大量販売による肥え牛の年がやって来る。現在は欧米が不況でしんぎんする時、ブラジルは旗揚げ前の士気高揚の時にある。いまや草木もなびくブラジルといえる。