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新型インフル=保健省が感染予測=従来型よりやや悪性報告も

ニッケイ新聞 2009年7月21日付け

 過去の大型伝染病資料に基づくならば、新型インフルエンザのウイルスA―H1N1は、これから五週間から八週間以内に三千五百万人から六千七百万人に感染する可能性があると十九日付けフォーリャ紙が報じた。
 そのうち三百万人から千六百万人は合併症などを起こし専門医の治療を要し、二十万五千人から四百四十万人は入院加療が必要となると予想。これは、保健省が二〇〇六年四月に発表した、第三版のインフルエンザ流行対策計画による予測図。
 遺伝子工学の見地から算出したもので、現在侵攻中の新型インフルの実態には基づいていない。予想はあくまでもこれまでに起きた過去の資料に基づいたもので、それが繰り返されて起きるかは一切不明だ。
 ウイルスが突然変異する過程と変化は、まだ未解明だ。予想したようなものではないかも知れない。予測図は鳥インフルエンザ(H5N1)流行の際作成したもので、ブラジルでは人間への感染には至らなかった。
 同文書では、過去の各種伝染病から、感染率、合併症発生率、重症化率(入院必要患者比率)、死亡率を算定。死亡率をいかに低く抑えられるかが、対策と医療技術の有効度の目安になる。文書では流行が最低限で抑えられた場合と最大限で拡大した場合など、各段階での死亡者数は伏せた。
 各地域の人口密集度と医療設備、対応態勢の相違も考慮される。これまでの新型インフルエンザに関する報告では、感染率と死亡率が従来の風邪と大差がないか、やや死亡率が高いと見られるだけというのもある。それが事実なら、幸いだ。
 過去のインフルエンザ流行では、一度病原菌が侵入したら、三週間以内に感染者が急増し、流行状態は、五週間から八週間継続する。
 ブラジルの場合、十九日に南大河州で新たに四人の死者が確認され、同疾患による死者が十五人になるなど、まだ感染拡大の段階にあるようだ。

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