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ブラジル東京海上が50周年=隅社長迎え記念式典=「新たな歴史の一ページ」

ニッケイ新聞 2009年7月22日付け

 東京海上ホールディングス株式会社グループのブラジル東京海上保険株式会社(Tokio Marine Seguradora、原島朗取締役社長)はブラジルでの営業開始五十周年を祝い、十三日夜、サンパウロ市ピニェイロ区のエスパッソ・ローザ・ロザールンで記念式典を開いた。式典出席のため、日本本社から隅修三取締役社長(兼東京海上日動火災保険株式会社取締役社長)が来伯。アルマンド・ヴェルジリオ民間保険制度監督庁(Susep)長官、保険ブローカー協会会長、ブラジル保険協会会長、業界関係者など約五百人が訪れ、半世紀の節目を祝った。

 東京会場ホールディングスは〇二年にミレアホールディングスとして設立、〇八年に改称し現在の名称となる。東京海上日動火災保険株式会社、日新火災海上保険会社などをグループ会社に持ち、グループ全体の経営戦略・計画立案、グループ資本政策等を担当。法務・内部監査・リスク管理等の基本方針を策定している。
 〇八年には英国のキルン社、米国のフィラデルフィア社を買収し、現在三十六カ国三百三十都市でサービスを提供している。
 五九年に東京海上日動としてブラジルで営業免許を取得。ブラジル東京海上は、〇五年七月七日、本社が一〇〇%出資する子会社となった。
 主力は自動車保険。損保、生保商品をレアル銀行支店網、ブローカーを通じ広域に渡り販売する。ブラジル保険市場における収入保険料規模は第七位を占める。ブラジルの拠点は、グループ会社の中でも日本国外で米国、英国に続く、三番目に大きなマーケットを持つという。
 隅社長は式典に先立って原島社長、須田一夫取締役副社長とともに記者会見し、「ブラジルで他社への投資、買収の可能性は十分にある」と述べ、事業拡大を視野に入れていることを明らかにした。
 席上原島社長は、損保ジャパングループ・南米安田社が五月にマリッチマ・セグーロ社の株式を五〇%取得したことについて、「戦略としては良いのではないか」と評価。「ライバルになる可能性はある」と述べた。
 式典は同社発展の経過を紹介するビデオの上映とともに開幕。隅社長はブラジルでの保険事業の需要の高さに言及し、「ブラジルの経済的、資源的ポテンシャリティーをもって、同社がさらなる発展を遂げることを期待したい」とあいさつ。
 原島社長は「サービスを高め、ブラジルの顧客を満足させていきたい。百周年を目指し、今日再び新たな歴史の一ページを開く」と宣言した。あいさつは全てポ語で行なった。
 そのほかブラジル側関係者のあいさつに続き、原島社長から約三十の保険ブローカー、ブラジルでの事業に尽力した元役員三人に感謝状が手渡された。
 今回が初来伯となる隅社長は、ニッケイ新聞の取材に対し、「イグアスの滝に感銘を受けた。ブラジルに無限の可能性を感じた」と印象を語り、「移住者の築いてきた地位に心から敬意を払いたい」と述べた。
 ブラジルに赴任しちょうど一年が経過したという原島社長は、「ブラジルを気にいったので、できるだけ長く駐在したい」と笑顔で語る。ポ語の習得にも努めているそうだ。
 「日系人の作り上げた歴史を尊重したい」と話し、「日本ブラジル双方の特徴を大切に、ビジネスを拡大していきたい」と意気込みを語った。