ニッケイ新聞 2009年7月25日付け
健康志向の高まりの中で、毎年二〇~三〇%という高率で成長している有機食品市場関係者にとり、見逃すことの出来ないバイオ・ブラジル・フェアが、サンパウロ市イビラプエラのビエンナーレ会場で開催されている。
二十二日、二十三日付エスタード紙によると、二十三日に始まり、二十六日まで開催されているバイオ・フェアは、今回で五回目。会場がもっと広ければ、もっと多くの展示者も参加したはずと主催者がいう同フェアは、有機食品の国際市ともいうべきものだ。
ナチュラル・テック(自然で衛生的な健康食品の国際市)も並行して行われ、有機栽培や健康食品についての講演会や料理講習会もあるという盛り沢山のバイオ・フェア開会式には、ルーラ大統領や官房長官、農務相、農地開発相らの閣僚の他、サンパウロ州知事やサンパウロ市長、国会議員らも参加した。
今でこそ成長産業と見なされる有機食品業界だが、農薬や成長ホルモン、抗生物質を使うのが当たり前とか、これらの助けがなければ農業生産は成立たないとまで思われていた頃は、考えられない光景だ。
化学肥料や農薬、遺伝子組み替え種などを排斥し、成長ホルモンも使わないため、通常の農産物よりも時間も手間もかかる有機食品は、値段が高い、小さい、虫食いの痕がある、といった苦情も出ていたが、様々な工夫、努力で、最近は通常の農産物と見劣りしないものも出回り始めた。
また、薬品耐性を高めると騒がれている、えさに混ぜたりして投与される抗生物質も、有機農法では使われない。
今や、味がよく、薬害の心配もない食品使用を謳い文句にするレストランなども増え、病院食にも使われる有機食品。今回のバイオ・フェアには商談コーナーも設けられたが、二〇一〇年以降、有機食品には、有機栽培法に基づいた品であることを証明するマークが付けられ、証明機関の名も明記されるようになる。
二〇〇三年に制定後、細則が整わなかった有機栽培法については、六月承認の細則三つに、年内承認予定の細則五つを加えた一〇の細則によって規格が統一化されると二十二日付エスタード紙が報じている。