ニッケイ新聞 2009年7月28日付け
ルーラ大統領の当選確実がほぼ決まった二十年前の一九八九年の大統領選挙投票日前日、ライバルのコーロル候補のテレビ番組に、大統領の娘ルリアンさんの母ミリアンさんが登場し、驚天動地の大事件となった。
「ルーラ候補は、娘ルリアンの父親。お金に困った私は、ルーラ候補と関係。娘は認知もされず、出産前には中絶費用までよこした」と発言。一夜にしてルーラ票を逆転した劇的シーンだ。
当時ルリアンさんは十五歳。同嬢は現在、三十五歳。サンタカタリーナ州サンジョゼ市の福祉局長を務める。
ある日、ブラジリアで「あの日のことはあなたの人生の大事件か」と聞かれた。「新聞記者からも本を出せと言われたことがあるが、それは人生の一こま。私の人生の節目は自分自身の誕生で、あの出来事では何もいうことはない」と答えた。