ニッケイ新聞 2009年7月30日付け
九月に予定されている生活扶助調整は、二〇一〇年の大統領選前最後で一〇%の見込みと二十九日付エスタード紙が報じた。ルーラ大統領による正式発表は、三十一日にミナス州ベロ・オリゾンテで行われるという。
二十九日付ジアリオ・ド・コメルシオ紙は平均五%の調整と予想しているが、エスタード紙によると、一〇%という数字は、二十八日に財務省のアルノ・アウグスチン国庫管理局長官が、生活扶助の調整時期を訊かれて答えてしまったもの。
長官は具体的な金額は知らないと発言しているが、エスタード紙が複数の情報源から確認した内容によると、この調整率は過去一二カ月のインフレ率に来年のインフレ分も上乗せしたものだ。
生活扶助額の最終調整は二〇〇八年八月に行われており、調整率検討も二カ月間行われていた。二〇一〇年が選挙年となる事で、来年の再調整を避けるため、一〇%という線が出されたようだ。
生活扶助は、一家庭当たりの基本額に、子供の年齢や人数に応じた手当てが加算されるもので、現在の基本額は六二レアル。手当て分は、一五歳以下の子供は三人までを限度に一人二〇レアル、一八歳までの就学者がいる場合は二人までを限度に三〇レアルで、一家族当たりの最高支給額は一八二レアル、現在の支給額平均は八五レアル。
これが、九月からは、基本額六八レアル、一五歳以下には一人二二レアル、一八歳以下には三三レアルを支給。家族当たりの最高支給額は二〇〇レアル、平均は九三・五〇レアルとなる計算だ。
生活扶助は、ルーラ政権にとり、経済活性化計画に並ぶ目玉政策で、現在一一五〇万家族がその恩恵を受けている。
二十八日にパライバ州カンピーナ・グランデの国立専門学校を訪問したルーラ大統領は、全校生徒の前で、生活扶助受給者で一七歳のイザベラ・オリヴェイラ・デ・アラウージョさんを紹介。
「政府は国民にとって母親の役を果たすべき」で、「生活扶助は、生活に困っている人にも、他の人同様のチャンスを与えている」と言及後、イザベラさんを抱き締めながら「彼女は手に職を付け、自分の将来を築いていくだろう」と結んだ。