ニッケイ新聞 2009年7月30日付け
移民の方に取材中、家の電話が鳴り、ポルトガル語での会話が始まることがある。
日本であれば、間違いなく驚かれる。年配の日本人が外国語を話すこと自体、珍しいからだ。
外国だから当たり前だろうーとの声が聞こえてきそうだ。オーリャ子の個人的な感覚か、移住してからの年月、その長さを実感する瞬間である。
悲喜こもごもの人生を聞き終え、「本を書かれたらいいのではー」と勧めることがある。
まだ色んな話があるのでは、という好奇心に加え、残すべき体験談だと思うことも多いからだ。
しかし様々な理由から多くは実現しない。その理由の一つに本人が特異な経験と感じていないこともあるようだ。
開拓時代、移住地の思い出話は貴重な証言だ。投稿欄『ぷらっさ』を発表の場にして欲しい。寒い夜長に筆を取られてははいかがだろう。(剛)