ニッケイ新聞 2009年7月31日付け
サルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)に対する倫理抵触の審理要請は、Psol(自由社会党)から二件、PSDB(民主社会党)から三件、また、アルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB=民主社会党)から五件、クリストヴァン・ブアルケ上議(PDT=民主労働党)から一件の合計十一件と三十日付けエスタード紙が報じた。一方、PMDBの上院リーダー、レナン・カリェイロス上議は三十日、PSDBへの報復として、週明けにヴィルジリオ上議を告発すると布告したことを同日付けG1サイトが報じた。
カリェイロ上議は、PSDBの審理要請上程に先立ち、ヴィルジリオ上議とセルジオ・ゲーラPSDB党首に、報復攻撃の通告も行っていた。
PSDBの審理要請提出後、PMDB執行部は、上院議長や上院リーダーの同上議の意向を確認の上、PSDBへの報復処置として、イリス・アラウジョ党首代行による倫理審議委員会への審理要請提出を承認した。その他に、ブアルケ上議もヴィルジリオ上議の道連れとして標的にする意向を示した。
ヴィルジリオ上議の何を、どのように突っつくかは明らかにしなかった。同上議は、上院に借りがあるというのだ。同上議側近の一人がスペインの俳優学校に留学中、ブラジルには居住していないのに上議事務局に一年半勤務したように虚偽申告をして月給泥棒をしていたと告発。
一方、サルネイ上院議長の援護射撃は、倫理委員長のパウロ・ドゥッケ上議(PMDB)の胆入りで気合を入れつつある。一極集中作戦だ。
第一に野党の上程案に対し、上院議長の責任範囲を明確にする。第二はそれぞれの疑惑で、上院議長がどこまで関与したかを明確化する。PSDB提訴の権限乱用の解明は、一件一件をバラバラにすると上院議長に対する不敬罪とみなせる刑法上のあやがあるそうだ。そこへ誘導する。
他にも、倫理委員長には、懸案を簡略化し、却下する特権がある。同委員長は、倫理論争を展開する考えはない。これまで騒がれたことは取るに足らないこととして、倫理委員会で棄却させる考えのようだ。倫理委員十五人のうち、十人が身内だから、委員会の行方は同委員長の胸先三寸だ。