ニッケイ新聞 2009年7月31日付け
ジルセウ前官房長官(PT=労働者党)は二十九日、PTの多数派意見だとしてルーラ大統領に提出したメルカダンテ上議(PT)の上院議長休職案を幼稚と批判し、PT党員を背後で操るブログを発表と三十日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
メルカダンテ上議は、二〇一〇年の大統領選挙に照準を合わせ、上院議長の休職を勧めた。前長官はこれを、多数派意見ではなく、同上議個人の考えだと訴えた。PT党員は、サルネイ上議が議長に就任した経緯を思い出すべきだという。
上院議長に弓を引く者は、道義に反すると前長官は見ている。メルカダンテ上議とPT幹部の間でボタンの掛け違いがある。同上議は七月初め、議長の休職を提案したが、大統領の癇に触れ後退した。その時、同上議は、政権運営を優先し大統領に歩調を合わせるといった。
その舌の根も乾かぬ二週間後、同上議は議長休職を再度発言と非難した。前長官は同上議を「カットン(先見の明がない人間)」と呼んだ。党内ではベルゾイニPT党首が反論。モンテイロ憲政相も同上議の「多数派意見」発言を禁じた。
前長官は背後で、上院議長辞任にサインを送る議員をけん制した。その一人ペードロ・シモン上議(PMDB)を「頑迷不屈の共和制主義者」と呼び、盲目の頑固者と評した。同上議の政治歴を見ると、万年野党だと揶揄している。
ブログはルイス・ドゥルシ総務長官の発言を取り上げ、国会議員の無軌道ぶりを制するための議会改革を訴えた。これは議会の体質であり、サルネイ上議個人の問題ではない。上院問題に関する政府見解は、ルーラ大統領が口が酸っぱくなるほどいっているという。