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ベネズエラ・コロンビア=大使召還で関係緊張=中南米政情不安で波高し

ニッケイ新聞 2009年7月31日付け

 【既報関連】コロンビア政府は、Farc(コロンビア解放前線)からベネズエラ政府購入のスウェーデン製兵器を発見したことで、隣国に説明を求めたが、ベネズエラ政府は二十八日、説明を拒絶。報復措置として大使召還と国交断絶、通商協定の破棄を示唆し、ベネズエラで営業活動を営むコロンビア企業の追放も検討開始と二十九、三十日付けエスタード紙が報じた。
 ベネズエラとコロンビア両国の輸出入は、相互扶助関係にある。貿易が止まると両国の国家収入は半減する。しかし、国境閉鎖はないようだ。
 コロンビア政府は、隣国エクアドルとも、領土侵犯に続いて、Farcによるコレア大統領の選挙資金供与告発で摩擦を起こしている。
 一方、コロンビア政府は二十九日、ベネズエラ政府の秘密支援を非難した。同政府がFarcへの武器供与を暴露したことで、チャベス大統領が国交断絶と通商協定の廃止という手段へ踏み切ったと見ている。
 また、国際刑事裁判所は、十カ国にまたがるFarcコネクションの一つがブラジルと見て、調査を始めた。先に殺害されたラウル・レジェス氏のファイルを元に、銀行取引や資金洗浄、犯罪組織との関係を内偵中だ。