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サルネイ去就=大統領が態度を豹変=政権評価悪化の調査結果で

ニッケイ新聞 2009年8月1日付け

 サルネイ上議(PMDB=民主運動党)擁護に挺身していたルーラ大統領(PT=労働者党)が七月三十日、突如変身し「上院不祥事は私の問題ではないし、サルネイ上院議長に投票したこともない」と公言したことを同三十一日付けエスタード紙が報じた。
 さらに「私は、アマパーの上議選にもテメル下院議長にもヴィルジリオ上議にも誰にも投票していない。だからサルネイ上院議長の去就を決めるのは、同議長を選出した上議であって、私ではない」と大統領がこれまでの見解を変えた。
 これまでは、公式の場でサルネイ支持を表明していた大統領に、PTの全上議も歩調を合わせるよう強制させていた。国会休会が明けたら気持ちを新たにして、独自の考えで上院の問題を解決せよと、同席したチリのバチェレ大統領の前で声明を発表した。
 大統領の豹変は、上院不祥事の世論調査が原因のようだ。調査結果は、サルネイ上議への過保護がルーラ政権評価とロウセフ官房長官への支持率にも悪影響を及ぼしたことを示した。上院議長自身も、事態収拾には辞任が望ましいと覚悟をしたようだ。
 一方、サルネイ上院議長の辞任を想定してPMDB(民主運動党)は、与野党に顔が利くフランシスコ・ドルネレス上議(PP=進歩党)を後任に用意した。上院議長席はPMDBの支配下に置き、PTの勝手にはさせない考えだ。
 PMDB首脳部は、サルネイ上議のために臥薪嘗胆の思いをさせられたが、どこかでうっ憤を晴らしたいと思っている。同党は次回選挙に向けてポルタウで、PMDBのお陰で政権安泰と経済発展が可能となったという自画自賛報告を行う。