ニッケイ新聞 2009年8月4日付け
アルゼンチンからウルグアイへの資本逃避に拍車がかかり、既に四百三十億ドルが亜国を後にしたと七月二十九日付けヴァロール紙が報じた。個人と法人の国外への資本逃避をあわせるなら、千五百億ドルに達すると見られている。
亜国では、ブラジルのような中央銀行による銀行の資金管理がない。だから実際は、四百三十億ドルより多いと思われる。ウルグアイ中央銀行の調べでは、非居住者の預金が、預金総額の二〇%を占めるという。
非居住者預金の九〇%が、亜国人。ブラジル人は一〇%。非居住者預金は、〇八年から亜国の政情不安に比例して激増。政情不安に火をつけたのは、輸出農産物の増税だ。それからは、大金が、ラプラタ川を渡ってウルグアイへ運ばれた。
亜国税庁が調べたところ、六十部門の企業二千二百社が、亜産品をウルグアイから日本や欧米へ輸出している。ウルグアイが国際基準による租税情報交換への協力が不十分であることを利用した違法取引といえる。