ニッケイ新聞 2009年8月6日付け
凍土の都・平壌にきれいな花が咲き乱れ、ちょっぴりと平和の静けさがやってきたのは喜ばしい。情報閉鎖社会で政治犯らは収容所に送られる専制国家は、原爆やテポドン開発に取り組む厄介なところながらー無理やり逮捕し労働教化刑12年の判決を下した2女性記者釈放に拍手喝采を送りたい▼それにしても、アメリカという国は将に破天荒なことを仕出かすと驚く。この女性記者のためにクリントン元大統領を北朝鮮に向かわせたのだから仰天する。まあ、その昔には日本にも秘密にしたニクソン大統領の訪中があるし、これが契機となり日中国交回復になったのだから、こんな驚天動地にびっくりもしていられない▼尤も、ク元大統領の隠密行動は、日本に事前連絡があったし、金正日総書記との会談や豪華な?夕食会の開催も承知していたのかもしれい。国営の朝鮮中央通信はクリントン氏が2人の釈放をめぐり「深い謝罪」を表明、寛大な処遇を求めたので金正日氏は「恩赦」を決めたという▼勿論、元大統領は6カ国協議への参加や核兵器とミサイル、日本人拉致の解決も迫ったに違いない、けれども、朝鮮通信は「幅広く意見交換」とだけ報じている。だが、米政府は、会談内容について細かく聴取する方針だし、北朝鮮がどう対処するのかも近くわかるのではないか。北朝鮮は、米との直接対話で事態の打開をと望んでいるようだが、オバマ政権は「米朝対話は6カ国協議の枠内だけ」と言明している。北朝鮮は先ず6カ国協議への復帰が大切なのである。 (豚)