ニッケイ新聞 2009年8月11日付け
英雄色を好むーそうながら故宇野宗佑首相が情人とトラブルが起きて超々の短い内閣に終わってしまった。まあ、これは愛情料?を払わなかったのが事の始まりらしいからー男としての宇野宗佑氏の責任は大とするしかない。これに比べると、イアリアはさすがに凄い。あのクレオパトラが恋したのもローマ帝国の2人の将軍だし、やはりイタリアは恋の大国らしい▼イタリア語で恋を囁かれたらご用心ーといわれるように、あの国の人は恋を語るのがめっぽう上手い。あのG8首脳会議を見事に取り仕切ったベルルスコーニ首相は只今72歳ながら艶っぽいことが大好きなようだ。さる5月には、ベロニカ夫人が、夫は18歳の女性と不適切な関係と曝露し、その後も買春が報道されるなど真に以って賑やかなのだ▼だが、老首相は「金銭を払っての関係はない」と堂々たるご返答なのである。左派系のマスコミは猛攻撃だが、この踏ん張りの強さはたいしたものであり、日本の政治家諸君も大いに見習うべきではないか。いや、ここブラジルにもサルネイ議長の醜聞がある。こちらは79歳ながらー数多の功績を塗り潰すほどの悪行である▼上院事務局のいい加減さ、石油公社からの怪しげな資金提供もだし、息子への情実人事と切りがない。このスキャンダル報道に徹したエスタードに連邦地裁が圧力をかけた判決も問題になっている。選挙絡みもあってか?ルーラ大統領のサルネイ支持もおかしいし、世論は「サルネイ辞任」であるのにご本人は平然と議長席にいる、この国の政界の不可思議さよーである。 (遯)