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上院抗争=与野党が停戦合意か=罵倒合戦には終止符=大統領選への分断作戦?=倫理委員会の行方は未定

ニッケイ新聞 2009年8月13日付け

 カンガセイロ(野武士)やコロネル(豪族)の罵倒合戦に至った上院抗争は十一日、与野党が停戦合意で幕引きの可能性ありと十二日付けエスタード紙が報じた。サルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)とアルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB=民主社会党)への告発は、双方棄却と見られているともいう。停戦の徴と見られたのは、ジェレサッチ上議(PSDB)によるサルネイ派幹部カリェイロ上議(PMDB)への謝意。ブアルケ上議(PDT=民主労働党)も「平和は腑抜けの同義語だが、野蛮よりはマシ」と発言したという。

 上院を舞台とした抗争は、北東伯の熱血漢による共和制以前の問題らしい。上院議長とヴィルジリオ上議への告発問題は上院倫理委員会に一任することになりそうだ。
 ジェレサッチ上議はPSDB幹部の昼食会で停戦合意を打ち合わせ、午後の本会議で低レベルの罵倒はしないことを誓った。しかし、議会に巣を張る与党の問題政治家との抗争は続けるという。
 上院抗争停止の可能性は出て来たが、数で押し切る倫理委員会のあり方で与党PT(労働者党)と野党PSDBが話し合った。連警の肥牛作戦やフェルナンド・サルネイ氏の金融会社、サルネイ財団などについては何も解明されていない。
 十二日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙によれば、サルネイ上院議長は十一日、「二〇一〇年の大統領選に向けた政治抗争で、私ははね跳ばされた犠牲者である」と述べている。
 同議長がPT政権継続のために重要な鍵であることは事実で、「野党の目的は連立の解体にあったようだ。この抗争に敗れれば、痛手を受けるのは私ではなく、ルーラ大統領だ」という見方だ。
 一方、停戦合意となれば梯子を外されるヴィルジリオ上議は「上院の中に立ちこめた煙は払う必要がある」と述懐した。
 同上議を議長告発の急先鋒と睨んだカリェイロ上議が、同上議側近の個人的借金で報復告発したことへの言及だ。借金は即時決済されていたが、カリェイロ上議はそれを告発のネタに使った。
 ただし、十二日付けフォーリャ・オンラインなどによれば、パウロ・ドゥッケ倫理委員長(PMDB)やジェレサッチ上議らは、停戦合意の話を否定しており、上院抗争の行方はまだ不透明だ。