ニッケイ新聞 2009年8月13日付け
リオ市南部のコパカバーナに、舗道を歩きながら、自然に足を向けたくなるような新しい博物館が誕生する。
十一日付伯字紙によると、七組の設計家達が競った新博物館設計コンテストで見事金的を射止めたのは、米国のエリザベス・ディラー、リカルド・スコフィーディオ両氏による作品。
四日に生誕一〇〇年を迎えた、世界的な風景作家ロベルト・ブーレ・マルクス設計の波形模様の舗道が続くコパカバーナ海岸から、自然な形で繋がるスロープを特徴とする瀟洒な設計は、二日間の審査の後、全員一致で選ばれたという。
八日付本紙東西南北欄でも触れたように、今回の設計コンテストは、二五年間コパカバーナで営業してきたボアッテを取り壊した後に建てられる、音と映像の博物館の全体像を描くもので、国内外から七組の設計士達が応募していた。
博物館が建設される土地の面積は一六〇〇平方メートル。十日付G1サイトによれば、建物そのものは四五〇〇平方メートル、駐車スペースも入れると六〇〇〇平方メートルになる博物館には、常設展示場、各種行事用展示場、講堂、映画館、調査や検索用の部屋に加え、カフェテリア、大展望レストラン、ピアノ・バーも設けられる予定だ。
新しい博物館は、現在リオ市のラッパとプラッサ・キンゼ(十一月十五日広場)に分散した形となっている、写真やポスター、レコード、映画フィルム、ビデオ、新聞の切り抜きなどを、一つに集約した場所となる予定で、サンパウロ市のポルトガル語博物館やサッカー博物館で音響などを担当しているロベルト・マリーニョ財団が、同博物館の活動も支援する。
工事前に予定地に建っているボアッテの取り壊しが必要なため、建設工事開始は、同ボアッテ没収完了の時期次第。
売春の場と化したボアッテ〃Help〃の没収経費も含めた見積もりは六五〇〇万レアルで、州側が五〇〇〇万を負担と発表。残り一五〇〇万は、民間からの支援を募る事になるようだ。
着工後二年半で完成予定という博物館は、コパカバーナの新名所として絵葉書もとの声が既に上がっている。