ニッケイ新聞 2009年8月15日付け
亜政府提供による二十八日バリローチェ開催予定のウナスール臨時首脳会議に招かれたルーラ大統領は十三日、前回のような「暖簾に腕押し」会議とならないため事前に周到な準備を期する声明を発表と十四日付けフォーリャ紙が報じた。
南米におけるコロンビア米軍基地の位置付けを明確にすることを、ルーラ大統領は訴えた。バリローチェ開催には、二つの理由がある。一はエクアドルのキトーが、議題と時期的に適当な場所でなかったこと。二はバリローチェが、猛威を振う新型インフルエンザで旅行者が少ないこと。
大統領は同首脳会議が未解決のまま保留した地域の安全保障に、完全解決とは行かなくも部分解決を求めていることを認識という。次回首脳会議は、チャベス大統領やコレア大統領の国交断絶宣言を緩和する明確な成果が必要だとした。
南米における米軍の介在に、議論の余地はない。米軍基地について討議するなら、南米地域に持ち込む米軍の最新兵器や南米各国の装備購入、介入する多国籍軍の戦略能力、テロの定義も討議する必要がある。
コロンビアは、外部機関との関係で詳細を明かさない。ベネズエラとロシアの軍事協定も内容が明白でない。チャベス大統領は、ロシア製スーホイ戦闘爆撃機など新兵器を三十億ドル購入した。
コロンビアが米軍事同盟の改正更新を明らかにしたことで、ベネズエラはロシアからコロンビアに優るとも劣らぬ軍装備を急ぎ出した。チャベス大統領は、プーチン首相の後押しに謝すと述懐した。それがなければ、ベネズエラは米帝国主義の蹂躙に屈するしかないと考えているようだ。
このような状況下、「ブラジルの外交政策には、ウナスールを南米の国連に育てる使命がある。南米に無秩序を生み出し、問題解決もできないウナスールなら、首脳会議など無用の長物である」とガルシア大統領顧問が発言。