ニッケイ新聞 2009年8月15日付け
七月からコンサートツアーで欧州旅行中のリオのサンバチーム、ベイジャ・フロールのネギーニョらが、イタリアでお金やコンピューター、トランク、パスポートに楽器まで持ち去られるという災難に。八日に海岸を散歩後、ワゴン車に戻ったところ、車は壊され、中にあった荷物がソックリ奪われていたという。一〇年欧州を旅行してきて初の盗難事件だというネギーニョだが、途方にくれる一行を助けてくれたのがロナウジーニョ・ガウッショ。夕食を奢った上、大使館へ連れて行く、在イタリアのブラジル人バンドから楽器を借りるなど、諸事に渡って助けてくれたという。一行は十六日に帰伯するが、ロナウジーニョに助けられた話はあちこちで語られるに違いない。
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五月三十一日に起きたエールフランス機事故で回収された五〇人分の遺体の身元がすべて判明と十四日付伯字紙。ブラジル人二〇人、外国人三〇人だったというが、全搭乗者二二八人中、一七八人は海を終の棲家としている訳だ。本来は遺体がないと死亡証明が出ないブラジル。賠償訴訟などにも必要な書類だけに、捜索活動終了後は搭乗の事実が立証されれば可能とされる死亡証明発行手続きが、滞りなく行われているのかも気になるところ。
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十三日付エスタード紙が上院で新たに四六八人の縁故採用や幽霊職員発覚と報じた後、抗議行動を起こした学生と警備員とが衝突した様子がテレビや新聞で報道された。上院倫理委員長がサルネイ議長への告発一一件を棄却した時には、一一個のピザを委員長宛てに届けようと試みて阻止された学生もいた。いつの時代も世の中の動きに敏感で、世論の一部を反映した学生達の行動が表面化することが多いと実感。