ニッケイ新聞 2009年8月18日付け
日本政府による草の根・人間の安全保障無償資金協力により建設されたパラナ州パラナシティ市のダヴィ・リベイロ・ネット市立保健所の落成式が、七月三十一日に行われた。
佐藤宗一在クリチーバ総領事、山本シデオ・マリオ市長、マノエル・ペレイラ・デ・メロ議長ら同市関係者ほか、来賓としてリカルド・バーロス連邦下議、加藤テルオ州議、西森ルイス弘志州議代理の明美夫人、パラナ州軍警第八大隊のロッシャ司令官などが出席し、地元住民とともに完成を祝った。
旧保健所は構造的な欠陥が多く、使用に耐えなくなっていた。この問題を解決し、あわせて利用者の増加に対応できる医療環境整備を支援するため、昨年九月に日本政府より約八万五千ドルの資金協力が行われ、建設が進められてきた。
落成式では、同市の少女舞踊グループ「タレントス・ド・フトゥーロ」が和風の衣装を着て盆踊りを披露、また、パラナヴァイ市から駆け付けた和太鼓グループ「コトブキ・タイコ」(和太鼓全伯大会ジュニアの部で優勝)が迫力ある演奏を行い、地元住民から大歓声を受けた。
佐藤総領事は同贈与契約が移民百周年の昨年に締結されたことを振り返り、「市立保健所が十分活用され、市民の健康維持に役立つことを期待する」と祝辞。山本市長は、「日本人移住者を受け入れた当市にとって非常に意義深い。本日落成を迎え、日本国民の我々に対する友情を改めて感じた」と謝意を表わした。
鳥居の形をした保健所正門で総領事と市長がテープカットを行い、入口に設置された感謝プレートを除幕。その後は保健所内の視察や、敷地内に設置された「融合」の漢字が刻まれた竣工記念碑前で記念撮影をするなど、出席者と懇談・交流のひと時を持った。