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米政府が上意下達=米コ軍事同盟批判に警告

ニッケイ新聞 2009年8月20日付け

 ヒラリー・クリントン米国務長官は十八日、ラテン・アメリカ諸国は米コロンビア軍事同盟を批判するのではなく協力すべきだと、コロンビアの独走に懐疑的な国々へ厳しい警告を発したと十九日付けエスタード紙が報じた。同国務長官は、軍事同盟は米コロンビア独自の二国間協定で、周辺国の了承は不要という。
 コロンビアのハイメ・ベルムデス外相と会談の後、記者会見に臨んだ米国務長官は、同軍事同盟に批判的なベネズエラ政府とブラジルの一派への警告と説明。同軍事同盟による米兵の増員も、隣国の国家主権侵害や内政干渉も一切ないとした。
 ベネズエラ政府は、同軍事同盟が南米地域に脅威をもたらすと米国への不信感を露にしていた。同同盟がロシアからの兵器購入に拍車をかけ、ベネズエラ・コロンビアとの国境地帯を固め、兵力増員を余儀なくしているという。ブラジルも、米国のこれまでの軍事同盟に不快感を表明した。
 コロンビア外相は、麻薬とテロ対策は国際的な理解を得ているものであると、同同盟に批判的なグループへ釘を刺した。米コロンビア軍事同盟は十四日、臨時協定を締結。さらに最終的な修正を行って本締結に至る。
 米政府は十八日、バリローチェでのウナスール(南米同盟)首脳会議には正式メンバーではないから出席しない意向も表明。ルーラ大統領が米政府代表を同首脳会議に招き、同軍事同盟の疑問点を協議する筈であった。米国に対する疑心暗鬼はまだ解けないようだ。
 なお、米国は十九日、改めて同軍事同盟の詳細を発表したことを同日付け同紙サイトが報じた。