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最高裁=個別会合の映像公開を要求=DEMも記録取得へ=政府は解決済みと達観=官房室は記録改ざんか

ニッケイ新聞 2009年8月22日付け

 最高裁のマルコ・A・メーロ判事は二十日、リーナ・ヴィエイラ前国税庁長官がロウセフ官房長官を訪れた日の監視カメラによる大統領府訪問者の映像を公開するよう要求と二十一日付けフォーリャ紙が報じた。大統領護衛室が公用車記録の提出を拒んだことで、いかなる理由で記録を隠蔽するのかと最高裁が疑問を呈した。またDEM(民主党)は、大統領府に対し昨年十一月と十二月における官房室の監視カメラ記録と公用車の出入記録を提出するよう要求した。

 リーナ前長官の十八日の供述によれば、前長官は、官房長官からサルネイ一族経営企業の税務監査を至急終えるよう指令され、それを監査停止命令と理解した。しかし、官房長官は前長官との個別会合を否定。会合は五分の短時間であった。
 最高裁のメーロ判事は官房長官が前長官と会ったことを否定しても、大統領府や官房室に訪問者の映像記録があるはずであり、それを否定するのは流れが不自然であると不信感を呈した。
 一方、二十日付けグローボ紙は、前長官との個別会合があったとされる十二月十九日を含む十五日からの官房長官の日程表に改ざんの疑いがあると報じた。長官が出席していない行事に出席したような修正が行われたという。
 大統領や州知事、他の閣僚の日程表や報道記事などと照合すると、会合のあった十九日の日程表の行事が脱落している。同週の十五日と十六日の部分は同じ日程が繰り返し記載され、その間の実際の行事が抜けている。
 会合翌日の二十日からの予定は、日程通りに従った。幾つかの行事は、翌日の日程表に記載されているほか、十八日に行われた国家防衛戦略の行事にも出席と日程表に記録されているが、実際は欠席し行動不明であった。
 官房室は、それをサイトの差し替え時に起きた誤報だと弁明。会合の十九日の記録は十八日の記録の記入間違いと釈明。十七日の記録も同様だと官房室職員が説明するが、なぜ繰り返し記入間違いを仕出かしたかの詳細説明はしない。
 ルーラ大統領は前長官に十七日、官房長官と会合をした証拠を見せろと言ったが、官房長官側の日程表は色々と細工がされていた。大統領が「証拠、証拠」と言ったのはそれを知ってのことかは不明だ。モンテイロ憲政相が、会合の有無は問題にならないと述べたのは、このような舞台裏の事情を暗示したようだ。