ニッケイ新聞 2009年8月25日付け
中央銀行は二十四日、景況好転によりインフレ率が低減しGDP(国内総生産)は予想を上回る明るい見通しの報告書を発表と同日付けG1サイトが報じた。市場関係者はIPCA(消費者物価指数)が四・三七%から四・三二%へ下がったことに注目し、経済成長率は予想を上回る四%と見ている。そこへ米国の経済成長率が、第3四半期から回復見込みの発表が行われた。サンパウロ市証券市場は先週から、景況を好感し強く反応した。輸出は減少し、金融投資は熱気を帯びる。
中央銀行と金融市場の調査機関は、次のような報告書を発表した。
【インフレ】中銀と金融市場の調査によれば、二〇〇九年のIPCAは四週間、続落している。二〇一〇年のIPCA予想は、四・三〇%で落ち着くと見ている。
IPCA以外の指数も好転している。IGP―M(総合市場物価指数)はマイナス〇・六三%からマイナス〇・七三%へ後退した。IGP―DI(総合物価指数)は、マイナス〇・三一%からマイナス〇・五七%に下がっている。家賃や公共サービスを示すIGP―sも、この線に添うものと考えられる。
【基本金利】ブラジルで適用しているインフレ目標システムは、政府の指示目標に従い、中銀が基本金利(Selic)という道具を使って、目標を達成する。
二〇〇九年から二〇一〇年の目標インフレは、四・五〇%であった。誤差上下二%として、完遂出来そうだ。通貨委員会(Copom)は、市場の予想通り金利を九・二五%から八・七五%へ引き下げた。これがルーラ政権で最後の引き下げになる見込み。
二〇〇九年はSelicを八・七五%で終了するが、二〇一〇年末は〇・五%上げて九・二五%になるというのが市場の見方だ。
【経済成長率】経済関係者は先週の動きから一様に好転と見ているが、市場関係者は〇・三四%から〇・三〇%と一時落ち込みを織り込んだ。
今年は、〇・五四%の落ち込みという一九九二年以来の局面があった。反面二〇一〇年は、三・八〇%から四・〇〇%への飛躍が期待される。
【為替相場】先週の為替相場が二十四日、発表された。二〇〇九年末には、一ドルが一・八五レアルで締められる予想。二〇一〇年末は、やはり安定した一・八五レアルの予想となっている。
【貿易収支】金融市場の見方では、二〇〇九年は二百三十億ドルから二百三十七億ドルの貿易黒字と見ている。二〇〇七年の四百億ドルから見ると二〇〇八年の二百四十七億ドルは三八・二%の落ち込みであった。
二〇一〇年の貿易黒字は百八十億ドルで落ち着くものと見ている。国外からの金融投資は二〇〇九年、二百五十億ドルで安定する。二〇一〇年は三百億ドルに上り、これも定着する見込み。