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宮崎県人会創立60周年祝う=東国原県知事、議長ら迎え=「ブラジルとの絆強めたい」=USPと宮崎大の協定も

ニッケイ新聞 2009年8月25日付け

 宮崎県人会(黒木慧会長)は二十三日、北海道協会会館で同県人会創立六十周年並びに、同県人移住九十五周年の記念式典(吉加江ネルソン実行委員長)を行った。全伯から会員が駆けつけ出席者は約六百五十人にのぼった。母県からは元お笑いタレントの東国原英夫県知事、中村幸一県議会議長、津村重光宮崎市長、住吉昭信宮崎大学学長など三十二人からなる慶祝団が駆けつけ式典に花を添えた。県人物故者慰霊法要や祝賀会が行われ、留学生OBと県知事が触れ合う姿も見られた。

 式典には大部一秋在聖総領事、ジルベルト・カサビサンパウロ市長代理の神谷牛太郎市議、ウィリアン・ウー連議、与儀昭雄県連会長など多数の来賓が出席した。
 高橋久子県人会副会長の開会の挨拶で式典が始まり、日伯両国歌を斉唱した。
 黒木会長は挨拶の中で、「六十年前、二十四人の先輩達が集まって、宮崎弁で語ろう、ということで始まったのが県人会」と述べ、「会では高齢化が進み、若者が日本へ出稼ぎに行くなど、(県人会は)厳しい状況だが、これからも母県との繋がりを強めていきたい」と挨拶した。
 続いて、日伯両国から祝辞が披露された。
 大きな拍手で迎えられた東国原県知事は、前日に移民史料館を訪問したことに触れ、「先人の苦労を目の当たりにし、改めて尊敬、感謝する。ブラジルと宮崎との絆を県費留学生などで強くしていきたい。六十周年がお互いの橋渡しとなれるよう祈念したい」と祝辞を贈った。
 ブラジル側からは、与儀会長が「県人会の将来を考えると、留学生は大切。日伯交流が盛んになるよう県連も努力していきたい」と述べた。
 祝電披露の後、県人会から株式会社ホンダロックの浦野勝雄代表取締役社長ら母県側功労者七団体へ感謝状が贈られた。県知事から県事業特別功労者や県事業功労団体などへ記念表彰に続き、高齢者表彰受賞者六十三人に対しては、当日参加した十七人の一人一人に、知事から賞状と記念品が手渡された。
 受賞者を代表して井上正夫さん(83、児湯郡出身)は「知事より高齢者に対して、ざっくばらんな姿で愛情溢れる言葉をいただき、県民の一人として幸せ」と謝辞を述べた。
 また、県費留学生・技術研修員謝辞として桐野リカルドさん(25、二世、国立都城工業高等専門学校で研修)は、「宮崎弁、日本文化など、学校では学べないものを習った。祖父母の故郷が分かり、勉強だけでなく人生経験を積み大切な時間を過ごした」と謝意を表した。
 県人会から県知事及び訪問団一行へ、県知事から県人会へそれぞれ記念品が贈呈された。また、訪問団から日系福祉三団体へ金一封が贈呈された。続いて、宮崎大学(住吉学長)とサンパウロ総合大学農学部(城田リカルド教授)との学術交流協定が結ばれた。
 祝賀会が午後一時から行われ、六十周年を記念したケーキを津村弘子宮崎市長夫人、吉加江紀子・式典実行委員長夫人がケーキカット。来賓一同による鏡割りに続き、中村議長の乾杯で祝賀会は始まった。
 東国原知事は自ら各テーブルに出向き挨拶、参加者らはサインや記念撮影を求めたりと、常に知事の周りには人だかりができていた。その後、舞踊やカラオケ、サンバショーなどが行われ、午後五時、盛会のうちに閉会した。