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東西南北

ニッケイ新聞 2009年8月26日付け

 町の歴史を知る物知りはあちこちにいるが、サンパウロ市サンタセシリアで一三年営業中の鍵屋が、娘に話して聞かせた歴史や出来事が本になる。旅先に鍵を忘れたと明け方叩き起こされたり、車に閉じ込められた子供を助けたりといった話を、娘がコンピューターで記録していたもの。「犬が主人を家の外に締め出したなんて話を聞いたことあるかい」と楽しげに話すジュラシーさん。間口一メートル、奥行き五メートルだが、「二四時間対応」の看板も出す店だけに、訪問した家や人の数ほど、内容が膨らんでいく。
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 リオ市では、速度違反などの取締り用レーダー二六五機中、四九機を二二時から翌朝六時まで切るという。二十五日付G1サイトによれば、夜間切断となるレーダーの設置個所では、夜の事故は減少しているというが、レーダーが機能していないと知れば、違反も増える可能性も。罰則が恐くて規則を守ると言うのは人の常。罰則もなく全てを律することができない凡人が多いという事か。
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 鳴り物入りで始まったサンパウロ市の貸切りバス乗り入れ規制は、思ったほどの効果が出ていないと二十五日付エスタード紙。公立学校の授業も再開された十七日以降の渋滞は、わずか四・四%しか改善されておらず、貸切りバス乗り入れのピークだった時間帯だけ見れば、渋滞は一一%も悪化していた。一台のバス乗り入れを規制すれば、二〇台の乗用車が繰出すとの予想が裏打ちされた?
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 サンパウロ州アラサツーバで、バイク運転者二人をひき逃げした神父が、二十四日夜逮捕された。車からはビールの空き缶六つが見つかったが、同神父は以前にも一方通行の所を逆行するなどの交通違反を犯しているという。