ニッケイ新聞 2009年8月26日付け
衆院選の公館投票が終了した。サンパウロ管内は前回より減少、とはいえ四日間で千六百十二人が投票に足を運んだ。
期間の短さもあり、中には高齢のため投票所まで行けなかった人もいただろう。日本ではまた、投票率・数の低さが話題になるかもしれない。
しかし、ブラジルの事情はそれほどに知られていない。日本より広い在聖管内に投票所は一つ。時間と金をかけて郵便投票を行って、自身の一票が届いたかも確認できない。そうした現実がある。
手続きの簡素化、駐在員への配慮、郵便投票の公館一括受付け、電子投票、さらに帰化一世の国籍復帰や海外区まで実現すれば、登録・投票は伸びるだろう。在外選挙は定着した。それを発展させるのは、より投票しやすい環境をどう整えていくかにかかっている。
杖を手に遠くから投票に来る人がいる。そうした事実も、もっと知られてほしいと思う。(ま)