ニッケイ新聞 2009年8月27日付け
「第十四回世界剣道選手権大会」(国際剣道連盟主催)が、二十八日から三十日の三日間、サンベルナルド・ド・カンポ市の市立体育館(アンシエッタ区ケネディ大通り1155)で開催される。開幕に先立ち、ブラジル代表選手たちが本紙を訪れ、意気込みを語った。
ブラジルでの世界大会開催は、一九八二年以来二度目。今回は、男女十人ずつの計二十人がブラジル代表として出場する。その選手らの指導にあたるため、国士舘大学体育学部武道学科の右田重昭准教授(剣道教士八段)も来伯した。
右田准教授は、三十年前に来伯しブラジル剣道連盟で三年間指導した経験を持つ。二十七年ぶりに指導にあたった右田准教授は、「ブラジルのレベルがこんなに高くなっていることに正直驚いた」と話し、「良い結果が期待できる」と力を込めた。
ブラジル代表選手たちは大会へ向け今月は仕事を休み、毎日練習に励んできた。週末には合宿も行われた。
男子キャプテンの佐藤丈司さん(36、六段)は、「心で勝とうと思います、がんばります」とあいさつ。
尾中栄作さん(30、五段)は、「前大会での悔しさをバネに、今年は良い成績を残したい。ブラジル剣道の強さを証明したい」と自信を滲ませる。
戸井田健寿さん(31、六段)は、「今まで一生懸命練習してきた。見せられるような剣道をしたい」と意気込みを語った。
女子キャプテンの本多泉美さん(四段)は、「今大会出場で、幼い頃からの夢を叶えられた。代表に選ばれたことを誇りに、百%出し切って戦いたい」と熱い思いを述べた。
宮沢なつ美さん(29、五段)は、「今までの練習の成果を試合で思い切り発揮したい」と自信を持って臨む。
尾中美和さん(29、五段)は二〇〇五年から〇八年にかけ筑波大学に国費留学し、体育専門学群の剣道コースで修士号を取得。日本の剣道はスピード、迫力が違ったと話す。「観戦する子供たちにも、がんばるぞというモチベーションを与えられる試合を行いたい」と笑顔を見せた。
同大会に向け、男女分かれて練習が行われた。男子チームを指導した染谷ロベルト監督は、「二年間の練習の成果を発揮し、決勝まで進んでもらいたい」と選手を激励。
初めて女子チームの監督を務め、最初は指導に戸惑ったという善村徹也監督は、女子の場合、体を鍛えるトレーニング以上にテクニックを伝授することに重点を置いたと話す。「女子はチームワークが強いので、特に団体で良い成績が残せるのでは」と期待を込める。
ブラジル剣道連盟の児島修徳会長、蛯原忠男理事は、「ぜひ選手らの熱い戦いを見に来てください」と来場を呼びかけた。
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【第十四回世界剣道選手権大会】=二十八日午前九時から開会式。同日は男子個人、二十九日は女子の個人・団体、三十日に男子の団体戦が行なわれる。入場には、保存可能な食品二キロ分を持参すること。