ニッケイ新聞 2009年8月27日付け
大幅に遅れた百周年協会の総会が二十二日に開かれた。協会自体の残高は約十三万レアル。免税口座団体「日伯社会文化統合機関(OSCIP)は約二十万レという報告が行われ、質問や批判が出ることもなかったが、実際どうなのか▼〇九年度の協会予算は二十八万レを計上したが、すでに十五万レアル足りない。会計報告を行った原長門氏は「企業からの支援がなかったら使わない」という。そういう曖昧な予算が承認されること自体、協会の存続意義の不在を証明している。「解散しては」という声もあったし、正直なところ、そうしたいのは山々だろう▼何故できないか。百年史の出版や映像の事業が継続しているからだ。JICAが協会と契約を交わしている限り、解散は事業中止を意味する。もちろん協会維持の人件費や経費は嵩んでいく。計三十三万レの約七割は、修好基金も含めて百年史に使われるものだから、残るものは幾ばくもない▼小欄でも何度か指摘したサンパウロ市からの百二十万レアルも「もう無理」(原氏)らしい。「カサビ市長は気にしているし、他の形で協力を頼めるのでは」(同)というが、それだけの事業計画がある由もない。要するに取りっぱぐれたわけだ。「百周年基金」として残そうとした顧問渡部和夫氏の目論見は、はずれた格好▼総会の発表では、百周年で千二百万レ(六億円)が動いた。援協福祉センターとほぼ同額だ。五分でもあれば基金も可能だっただろう。あの華々しい一年の花火で何が残ったか。宵越しの金を持たない江戸っ子体質の同協会はその答えを知らない。 (剛)