新型インフル=ブラジルの死亡率が上昇=高齢者風邪予防注射中止か
ニッケイ新聞 2009年8月28日付け
保健省は二十六日、ブラジルでの新型インフルエンザの死亡率が上がったとする報告書を発表と二十七日付けエスタード紙が報じた。ブラジルの死亡者数は八月二十二日現在、五百五十七人。米国は五百二十二人だ。保健省では未集計の州保健局発表分も入れれば、少なくとも五百八十一人。
しかし、実際はさらに多数に上ると見られる。十六日から二十二日に風邪の症状で診察を受けた患者三千九百七十人のうち一五%が検査を受け、二百七十三人が新型インフル患者と判定された。三十三人は季節性の風邪で、二百九十五人はウイルス感染はなかった。
ブラジルに新型インフルエンザが上陸して以来、二万七百七十五人が感染被疑者で、検査の行列に並んだ。
公式発表では、ブラジルの新型インフル死亡率は人口一〇万人当り〇・二九人で、世界の感染国十六カ国中七位になった。二十二日までは、〇・一九人で世界九位であった。ただし、新しい患者発生は、八月に入ってから減少傾向にある。
このような背景から、北半球での冬の間のH1N1の感染拡大状況と予防ワクチンの結果次第では、二〇一〇年の高齢者向けの季節性の風邪予防注射は、中止となる可能性も出て来た。
毎年四月から全伯の高齢者二千万人に行う風邪の予防注射の代わりに、新型インフルのワクチン注射を行うか保健省が検討中。まず全員に行きわたるだけの量が、確保できるかも問題だ。
政府は二十六日、伝染病の蔓延に備えて二十一億レアルの予算割当てを発表した。そのうち十億六千万レアルは、ワクチン購入に。量にして七千三百万ドーゼ、三千三百万ドーゼは国産。ワクチンの納入が遅れて急場に間に合わない場合、保健省は世界の製薬会社から直接購入する。
二十八カ国のデータを解析すると、新型インフル死亡者の半数は既往症があると欧州の伝染病予防機関が報告した。死亡者の五一%は二十歳から四十九歳の働き盛りで、リスクの高いのは、糖尿病患者と肥満者。妊婦にも特別な注意が必要だ。