次期大統領選=マリーナ上議、出馬の意向=理想と現実が焦点に=官房長官に対決姿勢示威=金権政治を廃す「政治革新」
ニッケイ新聞 2009年9月1日付け
マリーナ・シルバ上議(PV=緑の党)は八月三十日、次期大統領選で立候補が目されるロウセフ官房長官に挑戦する可能性を認めた上で、PVへ正式に入党と同三十一日付けフォーリャ紙が報じた。離脱したPT(労働者党)とどんな見解の相違が生じるか分からないが、官房長官とは環境問題で一線を画すという。PVがブラジルの政治的退廃を修復し、金権政治の官房長官と袂を分かち、政治的融合や連立関係は断ち切る覚悟を披瀝。一九八六年来のPTメンバーであった同上議は、同党の創立精紳の変質を嘆いた。
マリーナ上議は、大統領出馬の条件として政治倫理の確立を挙げた。選挙運動では、財源を伴う誘致や権限提供などの金権体質を容認しないという。PT時代は、官房長官との腕相撲で明け暮れた。軍配を上げるのは、審判のルーラ大統領。
しかし、官房長官に負けたくない。PVは「環境が危機にある現在、マリーナを大統領に」と声援を送ってくれた。旗印は「政治革新」。五年間の省体験で一部の革新ではなく、全体の革新が必要だと感じたという。
PVは現実と理想の狭間で試されると、関係者が見ている。PVはブラジルの一政党ではなく、国際的組織であることを考慮する必要がある。西ドイツで一九六八年、環境と平和主義者、学生らを中心に始まった環境保全運動が政治運動化し、一九七九年に政党として発足したものだ。
同運動は一九八三年、ドイツ議会で核開発反対やNATOの廃絶、核弾頭ミサイルの撤去を訴えた。その後、ベルリンの壁崩壊で現実路線を踏襲するに至った。PVはその後、EU全土に活動を広げたが、選挙ではPV票が伸び悩んだ。
八月二十九日付けニューヨーク・タイムス紙は、マリーナ上議の大統領選出馬声明を、トップで「アマゾンの極貧家庭に生まれた子供が、ブラジルを揺るがす」と報じた。同上議のインスピレーションが、国民に覚醒を促すと見ている。
同上議は幼少時代、母に死別。少女時代は風土病で肝臓を患い、貧困と闘病生活を経て苦学する中、アクレ国立大学を卒業。同上議の立志伝は、多くの国民に感銘を与えると同紙は結んだ。