ニッケイ新聞 2009年9月1日付け
リオ市北部のレオポルジーナ駅で、八月二十八日から三十日まで、〃Back・2・Black〃とのタイトルで、黒人文化やアフリカの影響などについて考えるためのイベントが持たれた。
八月二十八日付フォーリャ紙や二十八~三十一日付G1サイトなどによれば、講演会や展示、音楽やダンスのショーなどが盛り込まれた〃Back・2・Black〃は、黒人文化に焦点を当て、〃黒人に戻ろう〃との意味を込めたもの。
いまや人口の半分を占める黒人や混血者は、ブラジル音楽や料理、ファッションなどの発展に欠く事の出来ない存在で、アフリカの影響の大きさは誰もが認めるところだ。
レオポルジーナ駅天井には、人類発祥の地とされ、五四カ国、七五部族が存在し、二〇〇〇にも及ぶ言語が話されるアフリカの様子を示す巨大な写真を無数に展示。反アパルトヘイト運動で知られる南アフリカ共和国の亡命詩人ブレイテン・ブレイテンバッハ氏、アフリカ支援活動で知られる音楽家で俳優のロバート・フレデリック・ゼノン・ゲルドフことボブ・ゲルドフ氏らも招き、アフリカの現状や将来、混血化の実態などを語り合う機会もあった。
イベント中は、原色を使ったカラフルな衣服に身を包んで町を闊歩する人が溢れ、アフリカ音楽のショーなどで、アフリカ発の文化やファッションを満喫したともいう。
一方、「アフリカ文化への表敬と、国内外の芸術家が会してのイベントの持つ意味は」との問いに、アフリカの抱える問題は、アマゾン同様に世界中の問題と考えるジウベルト・ジル元文化相は、「アフリカ文化表敬は当然の事で、今回のイベントも、世界中に多大な貢献をしてきた大陸が現在抱える住民の苦難や困難に世界の注目を集めるため」と返答。
アフリカ出身者により豊かなものとされたブラジルの歴史や文化を再確認すると共に、アフリカの痛みや苦しみを共に負い、共に戦うことも求められたイベント。八月二日付フォーリャ紙は、「リオにある小さなコンゴ」とのタイトルで、コンゴで迫害を受けて逃亡してきた人々がリオに安住の地を見出したことなども紹介している。