ニッケイ新聞 2009年9月4日付け
カルシウム、マグネシウムたっぷりの〃海の恵み〃海草肥料『ALFERTIL』を大サンパウロ圏で一手に販売する沖眞一さんが一日来社し、「肥料や飼料に最適」とその効果を説明した。「農作物の生育の促進と増産を助ける理想の肥料補助剤です」と日系農家に使用を呼びかけている。
『ALFERTIL』は、サンゴモ科イシモ属の石灰岩を粉にしたもの。肥料に必要なカルシウム含有量三二~四〇%に対し、マグネシウムが三・五%と十対一の割合になっており、沖さんは、「両者のバランスが理想」と話す。
他に塩素、ケイ素、ヨードなど約三十の微量要素も含まれており、〃海の恵み〃そのものだ。
説明によれば、細胞が空洞状態になっているため、バクテリアや酸、水分が入りやすく分解が早いという。
「石灰は浸透が悪いため、下準備がいるし、畑で蒔いても雨で流されることもある」とその違いを強調しながら、「〃インスタント石灰〃と考えてもらってもいいのでは」と続ける。
石灰が一ヘクタールに十二~十五トン使用する必要があるのに対し、『ALFERTIL』は三百~五百キロ。
値段は、一トンが約一千レアルと石灰の約三倍だが、「人件費や作業効率を考えると、利益率は高い」と強調する。
長期利用することにより、カルシウムの過剰や塩分蓄積の問題もあるが、石灰と調整して使用すれば問題ないとし、技術的な相談も受け付けるという。
エスピリト・サント、バイーア、リオ・グランデ・ド・ノルテ各州にかけての海底には、約二億トンの海草肥料の埋蔵量があるとされており、八〇年代に肥料会社竹中商会が『CONCINAL』の商標で売り出している。
このたび、これを観光省が有機肥料としての販売を許可したことから、環境問題の点から、有機農業の可能性も高まっているという。
なお、骨粗鬆症に効果があるという健康サプリメント『Vitalidade』もリベルダーデの薬局や健康食品店で販売中だ。
沖さんの連絡先は(11・5589・3283/9510・6053)。