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不在地主に規制を=食糧危機を見込み土地投機

ニッケイ新聞 2009年9月9日付け

 講演のために来伯中のピッツバーグ大学ダン・ニュエン教授は七日、ブラジルでは殆ど話題にならないが、外国人不在地主がオフショア(非居住者の資金運用)で所有する土地を有効利用すべきと訴えたことを八日付けフォーリャ紙が報じた。
 食糧危機は刻一刻と迫る中、肥沃農地の需要も同じように世界的に増大している。ブラジルやアフリカは、この種の農地所有に対し規制を設けるべきだという。
 中国や日本、韓国、アラブ首長国連邦、サウジ・アラビアなどが、世界の農場をオフショアで買い占めている。国によっては人口に対する可耕土面積が少なく、食糧の暴騰を防ぐため遊休土の利用は切実な問題だ。
 二〇〇八年九月に始まった金融危機で、コモディティの食糧相場は混乱した。企業が原油価格に支配されるように、消費者は生産者に従うことを余儀なくされた。
 ブラジルの生産者は、食糧市場の動きから国内に外国人が所有する農地四万物件に関心を持ち始めた。しかし、ブラジルは不在地主に農地規制の法律がないため、食糧不安を募っているという。